犬が鼻を鳴らす理由とは?|逆くしゃみの症状や注意が必要な病気など合わせて紹介

愛犬が鼻を鳴らしているのは、どのような理由があるのでしょうか。いつもと違う様子に心配になってしまう飼い主さんも多いでしょう。この記事では、鼻を鳴らす愛犬が気になる飼い主さん向けに、鼻を鳴らす理由や鼻を鳴らす音によってわかる愛犬の心理状況、体調の変化などを解説します。 病気を疑ったほうがよい鼻の鳴らし方などもあわせて紹介するため、ぜひ参考にしてください。

犬が鼻を鳴らす理由、意味

愛犬が鼻を鳴らしていると心配になるかもしれませんが、鼻を鳴らすこと自体は珍しくありません。鼻を鳴らすことで愛犬の機嫌がわかったり、体調の変化を読み取ったりすることができます。また鼻を鳴らすのは、愛犬から飼い主さんになんらかの感情を表現しようというコミュニケーションの一環とも考えられています。

ただし、鼻を鳴らす際に苦しそうな場合や頻繁に鳴らす場合は、なんらかの病気が隠れている可能性を疑ってみましょう。鼻を鳴らすときの様子にしっかり目を配り、観察することが大切です。病気の可能性が高い場合は、動物病院に連れて行くなどの対応が必要です。

鼻の鳴る音別、考えられる心理状態や体調

愛犬が鼻を鳴らすときに出る音は、その心理状態や体調を知る目安にできます。ここでは、鼻を鳴らす音別にそれぞれの心理状態や体調を解説します。

【少し長めの音で(「フー」など)鼻を鳴らすとき】

リラックスしている、満足している、喜んでいる

愛犬が床でくつろぎながら、もしくは食事のあとなどに「フー」と少し長めに鼻を鳴らすのは、リラックスしていたり、満足もしくは喜んでいたりする状態であると考えられます。飼い主さんと一緒にいるときに長く鼻を鳴らすのも、ここが落ち着ける場所だと感じている証拠だと考えてよいでしょう。

半分目を閉じながら、ため息のように「フー」と鼻を鳴らすのも、喜びや満足といった感情の表れです。また、緊張した状態からリラックス状態へと移行するときに、安心していたり一息つくためのため息が「フー」という音につながることもあります。深いため息の勢いがつきすぎている状態です。

【息が多く混じった音で(「フンッ」など)鼻を鳴らすとき】

少し機嫌が悪い、不満がある

愛犬が目を見開きながら「フンッ」と勢い強く鼻を鳴らしていたり、息が多く混じった音で強めのため息をつくように鼻を鳴らしているときは、少し機嫌が悪いのかもしれません。飼い主さんが思うように遊ぶ時間を作ってくれない、欲しいおやつをなかなかもらえないなどに対する不満の表れとも考えられます。

飼い主さんのそばで何度も強めに鼻を鳴らしたときは、「かまってほしい」「遊んでほしい」といった気持ちの表れのため、コミュニケーションをとってあげるのがおすすめです。

威嚇している

一方で、見知らぬ人や犬といるときに強く「フンッ」と鼻を鳴らすのは、相手への威嚇と考えられます。なんらかの脅威を感じて、相手を威嚇したいという感情の表れです。相手をじっと見つめたままや、うなっている場合は、吠える可能性もあります。相手を凝視し脅威を感じている状態から吠えたり相手への攻撃に移行しそうなら、その場を立ち去るのが賢明でしょう。

嗅覚を調整している

気になるにおいがあるとき、嗅覚がいまひとつでないとき、鼻をきれいにするために「フンッ」と鼻から息を吐き、鼻を鳴らしていることがあります。鼻水や異物が鼻に詰まっているのを出したり、鼻腔に吸い込んだにおいを鼻息とともに出し、新鮮な空気を取つ入れる行為で、嗅覚を調整するためのものです。

愛犬が頻繁に「フンッ」と息をつき、鼻をかんでいるように感じるのなら、鼻の中にゴミが詰まっていないか確認してあげるとよいでしょう。

【高い音で(「ピーピー」「プープー」「クンクン」など)鼻を鳴らすとき】

飼い主さんに甘えたい、気づいてほしい、構ってほしい、遊びたい、寂しい

愛犬が高い音で「ピーピー」と鼻を鳴らしているのは、飼い主さんに「甘えたい」「気づいてほしい」「構ってほしい」「遊びたい」という感情を表している可能性があります。また、少々寂しさを感じている場合もあるでしょう。

愛犬なりのサインですが、このサインが出るたびに構ってすると少々わがままな性格になる可能性もあります。甘やかしすぎには気をつけましょう。

喜んでいる、興奮している(良い意味で)

「クンクン」と鼻を鳴らして、最後にピッチが下がっているときは、愛犬が喜んでいるなど、よい意味で興奮しているサインです。

恐怖や不安を感じている、体の不調を訴えている

もともとおとなしい犬や神経質な性格の犬が「ピーピー」と鼻を鳴らしている場合は、犬が恐怖や不安を感じ、怯えているのかもしれません。また「ピーピー」と頻繁に鳴らすようなら、慢性的なストレスを抱えていたり、飼い主さんが気づきにくい怪我や体調不良を訴えている可能性もあります。

ストレスが原因でさまざまな病気を引き起こすこともあるため、注意して観察しておきましょう。

【濁点のついたような音で(「ガーガー」「ブーブー」)鼻を鳴らすとき】

興奮状態がエスカレートしている

「ブーブー」「ガーガー」と、濁点がついたような音で鼻を鳴らしているのは、犬の興奮がエスカレートし、鼻に通る空気の量が多くなったときです。犬が興奮状態になると、呼吸によって体温を調節しようとするため、「ブーブー」「ガーガー」といった音が鳴ります。

「ブーブー」「ガーガー」と鼻音を出しながら鼻水を飛ばしたり、興奮状態がエスカレートするようなら、過呼吸などにつながらないよう早めに落ち着かせてあげてください。

【息を吸い込みながら苦しそうに(「グーグー」「ブーブー」「ブフブフ」など)鼻を鳴らすとき】

息を勢いよく吸い込み、苦しそうに頭を前後にゆらしながら「グーグー」「ブーブー」「ブフブフ」といった音を鳴らしていたり、鼻が鳴っているときにくしゃみを吸い込んでいるようなら、「逆くしゃみ」をしている可能性があります。

「逆くしゃみ」は、「発作性呼吸」とも呼ばれますが、決して病気ではありません。「逆くしゃみ」の原因は不明ですが、そのほとんどが突発的なものだと考えられており、短時間で治まるため、呼吸困難などに陥ることはないからです。

ただし、「逆くしゃみ」の状態が続いて起こっていたり、「逆くしゃみ」で愛犬が苦しそうにしている場合は、病院での受診をおすすめします。詳細は後述しますが、「逆くしゃみ」と似たほかの病気の可能性も考えられるため、用心してください。

逆くしゃみ(発作性呼吸)の症状と原因、対処法

ここでは、「逆くしゃみ」の症状はなぜ起こるのか、「逆くしゃみ」をしている愛犬にどう対処すればよいかをわかりやすく解説します。

逆くしゃみの症状

「逆くしゃみ」という名前は、鼻から空気を激しく吸い込み、くしゃみを吸い込んでいるようにみえる状態を指しています。頭を前後にしながら鼻の音を鳴らし、食事や散歩など、日常的な場面で突然起こる「しゃっくり」のようなものです。

突発的に起こり、長くて1分ほどで治まるため、「逆くしゃみ」の症状が長続きすることはありません。「発作性呼吸」とも呼ばれますが、病気の症状ではなく命の危険などもないため、心配する必要はありません。

逆くしゃみの原因

先にも述べたように、「逆くしゃみ」の原因は特定されていません。一説には、ダニや分泌物、煙、におい、花粉などが鼻やのどの奥を刺激したり、犬が興奮したときに起こるとされています。アレルギーで「逆くしゃみ」が起きている可能性もありますが、原因を突き止めるのはなかなか難しいのが実際です。

鼻腔が狭い犬種では特に刺激物の影響が大きく、パグやフレンチ・ブルドッグなどで「逆くしゃみ」の症状がよくみられます。

逆くしゃみの対処法

原因が特定されていないため、これという「逆くしゃみ」の対処法はありません。ただ、特定のおもちゃや部屋で遊んだときに「逆くしゃみ」をするようなら、ダニやほこりが原因になっている可能性があります。おもちゃや遊び場所を変える、おもちゃを洗濯する、部屋を掃除する、こまめに換気するといった対策を講じてみましょう。

アレルギーなどが原因の場合は、獣医に相談し、アレルギー治療をすると「逆くしゃみ」が治まる可能性があります。また、鼻に息を吹きかけることで「逆くしゃみ」が止まる可能性もあるため、試してみましょう。

逆くしゃみと似ている、犬が鼻を鳴らす場合に注意が必要な病気

愛犬が「逆くしゃみ」と似た音を鳴らしているものの、いつもより苦しそうにしていたり、呼吸がかなり荒い、あまりにも頻繁に症状が起きている、シニア期に入ってから「逆くしゃみ」のような症状を発症した場合は、注意が必要です。「逆くしゃみ」の症状に近い、呼吸器系の病気を発症している可能性があります。

「逆くしゃみ」に症状が似たほかの病気、隠された病気に気をつけなければなりませんが、「逆くしゃみ」なのかそうでないのかの自己判断は難しいため、気になる場合はかかりつけの動物病院に相談する必要があります。

短頭種は鼻が鳴りやすいため、「逆くしゃみ」とほかの病気の見極めも大変です。注意してみておいてください。

注意が必要な呼吸器系の病気の例

「逆くしゃみ」に似た症状でありながら、注意が必要な呼吸器系の病気、ほかの病気の例を以下に挙げます。病気のサインを見逃さないようにしましょう。

  • 気管虚脱
  • 鼻腔狭窄
  • 短頭種気道症候群
  • 心臓病
  • 肺の病気
  • 腫瘍
  • 鼻炎などが原因の本当のくしゃみ

犬が(病気以外で)頻繁に鼻を鳴らす場合の対処法

ほかの病気がないのに、頻繁に鼻を鳴らす場合は、トレーニングで改善する必要があります。ここでは、それぞれのケース別に対処法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

威嚇行動で鼻を鳴らす場合の対処法

見知らぬ人や犬を相手に威嚇行動として鼻を鳴らす場合は、そのままにするとエスカレートする可能性があります。また、鼻を鳴らす威嚇行動で相手が委縮したり離れたりすると、威嚇行動を繰り返すようになります。

鼻を鳴らしはじめたら冷静にストップの号令をかけ、威嚇行動をやめさせましょう。飼い主さんの号令が聞けたときにご褒美を与えれば、しつけすることができます。威嚇行動をやめさせようと、大声を出すのは逆効果になる可能性があるため、注意しましょう。

構ってほしい、不満があるなどで鼻を鳴らす場合の対処法

「自分に構ってほしい」「なかなかおやつをくれない」といった不満が原因で鼻を鳴らす場合は、短時間でも満足感のある遊びや運動を一緒にしてあげましょう。ただ、鼻を鳴らすたびに相手をしてあげると、自分のいうことを必ず聞いてくれると勘違いする可能性があります。

優位性はあくまで飼い主さんにあり、飼い主さんの号令に従わなければならないとしつけておくことが大切です。そのためにも、おとなしくしているときに褒めたり、鼻を鳴らすのをやめたときにご褒美をあげたりと、静かに過ごす大切さを教えていきましょう。

まとめ

愛犬が鼻を鳴らすのは、決して病気ではありません。安心している、緊張しているといった犬の心理状態や、体調などを表すサインです。また「逆くしゃみ」という突発的な症状の可能性も否定できません。ただし、愛犬からのサインや「逆くしゃみ」だけでなく、ほかの病気の症状の可能性もあるため、日々のコミュニケーションをしっかりとり、よく観察するようにしましょう。

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