犬のしぐさで愛犬の気持ちはわかる?|甘えや体調不良を知るためのポイントを紹介

犬は言葉を発しない代わりに、体を使って感情を表現します。犬のしぐさには、犬の気持ちがいろいろと含まれているため、しぐさの意味を理解すれば、より愛犬とコミュニケーションを取りやすくなります。この記事では、甘えているときやうれしいときのほか、体調不良など注意が必要なしぐさについて解説します。愛犬の気持ちを知ってよりよい関係を構築していきましょう。

犬のしぐさで気持ちがわかる

犬も人間と同様に、うれしい、悲しい、怒っているなどの感情を持ちます。犬の感情を表現する方法がしぐさです。ただし「あくびをする」「そっぽを向く」など、人間と犬との間で感情が異なるしぐさもあります。犬がみせるしぐさの正しい意味を知れば、愛犬の気持ちをより理解できるでしょう。

犬のしぐさは性別によって異なるの?

甘えん坊、ツンデレなどの性格は、犬の性別によって異なる傾向があるというイメージを持っている人もいるかもしれません。しかし実は犬の性格に性差はなく、しぐさも同様に性差はありません。犬の性格やしぐさも、それぞれの犬により異なります。

たとえばうれしいときでも、犬の性格によって飼い主に向けるしぐさは異なります。愛犬の気持ちを理解するには、普段からよく観察することが重要です。正しく気持ちを理解して、コミュニケーションを円滑に取れるようにしましょう。

甘えているときの犬のしぐさ

側にいてほしい、遊んでほしいなど飼い主に甘えているときにも犬はいろいろなしぐさをします。甘えているときにする犬のしぐさを順に解説します。

おなかをみせる

あおむけになっておなかをみせる姿勢は、信頼している相手に甘えているしぐさです。犬の急所であるおなかをみせることで、無防備な姿勢を取って甘えています。おなかをやさしくなでると喜びます。

甘噛みをする

人の指や手を噛んだり、しゃぶるように噛んだりするのが甘噛みです。とくに子犬がよくみせる愛情表現のしぐさです。本気で噛んでいないため痛くはありませんが、好きなように噛ませていると噛み癖がつきます。

甘噛みをしたら「だめ」「ノー」など噛み癖がつかないようにしつけをするようにしましょう。

耳が後ろに下がる

耳を後ろに下げるのも、甘えているしぐさのひとつです。飼い主に対してする場合は、リラックスして甘えています。ほかの犬に対して同じしぐさをする場合、敵意をもっていないことを表しています。

ただし、耳と一緒にしっぽも下がっている場合は、緊張や不安といった気持ちでいるため注意が必要です。

顔をなめる

顔、とくに口元をなめてくるときは相手に対して親愛の気持ちを持っているときです。ただし、甘えたいときだけでなくストレスを感じているとき、空腹で食事を催促しているときにも顔をなめてくることがあります。犬の様子をよく見て判断しましょう。

顔をなめるしぐさについては、犬と人間共通の感染症のリスクがあるほか、来客の顔をなめて失礼になることがあります。指示すれば顔をなめるのをやめるようにしつけをするのも重要です。

あごを乗せる

人間の腕や肘にあごを乗せるのも甘えるしぐさのひとつです。あごを乗せる姿勢は体の力が抜けてリラックスしている状態で、信頼または安心している相手に対して行います。飼い主をみつめてあごを乗せる場合、なでてあげると喜ぶでしょう。

前足を乗せる

前足を乗せてくるのは、構ってほしい、自分に注目してほしい気持ちの表れです。ただし足で叩くように乗せてくるときは、犬がわがままになっている場合があります。犬が人間より優位な気持ちにならないように、メリハリをつけて遊んであげましょう。

身体を寄せる

犬が飼い主にすりすりと身体をこすりつける、押しつけるようにしてくるのは構ってほしいときにする行動です。自分の大好きな相手のにおいを自分につけたい、という意味ももっています。

鼻を鳴らす

甘えたい、構ってほしいときに「くーん」「ピーピー」と鼻を鳴らすことがあります。ただし、鼻を鳴らすしぐさは体調不良の可能性もあるため、普段鼻を鳴らさない犬が鼻を鳴らす場合は、体調の変化がないかも確認しましょう。

甘えた行動が多すぎる場合は体調不良の可能性もある

犬の甘える行為がいつもより多い、異常なほどべたべたしてくる場合、なんらかの不安を持っている可能性があります。犬が寂しい、怖いなどの気持ちになるような心当たりがない場合、体調不良かもしれません。違和感のある甘え方をするときには、愛犬の行動をよく観察することが重要です。

うれしい気持ちを表す犬のしぐさ

犬はうれしいときや満足しているときにも、いろいろなしぐさをします。うれしい気持ちを表す犬のしぐさを順に解説します。

後ろ足で顔をかく

後ろ足で顔をかく場合は、うれしい、たくさん遊んでもらって満足などのポジティブな気持ちでいるときです。一方前足で顔をかく場合は、やきもちをやいている、構ってほしい、不満、湿度が高く不快に感じているなどの理由により、ネガティブな気持ちを表しています。

ため息をつく

人間からするとネガティブな行動に思いがちなため息は、犬にとってうれしい気持ちを表すしぐさです。犬が深いため息をするときには、安心や満足しているときでポジティブな気持ちを表します。ただし、浅いため息をついたときはストレスを持っている可能性もあります。

笑顔のような表情

犬は表情豊かな生き物です。リラックスしている、うれしい気持ちのときには表情にも表れます。耳の間が広がり、口元をゆるめて少し下の歯を見せる表情をみせてくれるでしょう。ときには口を開けて口角を上げ、まるで笑っているような表情をみせることもあります。

注意やしつけが必要なしぐさ

犬のしぐさのなかには、見下す、恐怖、不安などの感情を表すものもあります。犬のしぐさのなかでも、注意やしつけが必要なものを解説します。

噛んだあとに舐める

噛まれたあとに、噛んだところを舐めるのは反省しているわけではありません。「次はもっと強く噛むぞ」と相手に警告している気持ちを表しています。犬と飼い主の主従関係が逆転しないように、噛んだあとはしっかり叱るなどのしつけが必要です。

前足で顔をかく

不満や不安を持っているときに、犬は前足で顔をかくようなしぐさをします。遊んでほしい、寂しいなどの気持ちがあったり、不満やストレスを溜めていたりする可能性が高いです。たくさん遊んであげるなど、不満やストレスを発散させましょう。

また、同じところを頻繁にかく場合には皮膚疾患がある可能性もあります。かいている場所も確認してみましょう。

身体を震わせる

喜んでいるときにすることもありますが、嫌がっているときに身体を震わせることがあります。しつけ中に体を震わせたら、いったんしつけをストップして愛犬の気持ちを汲んであげましょう。

不快感、痛みなど体調不良で身体を震わせることもあります。1日様子を見て改善しない場合、受診してみましょう。

人間とは異なる意味合いのしぐさもある

あくび、目をそらすなど人間と犬の間で異なる意味合いをもつしぐさもあります。犬が緊張や不安を持っている場合、しぐさを通じて争いを避けて穏やかに過ごすための行動(カーミングシグナル)を出すことがあります。

あくび

怒られているときにあくびをするのは「もう怒らないで」「落ち着いて」という気持ちを示すカーミングシグナルです。不安を取り除くために愛犬をリフレッシュさせてあげましょう。

目をそらす

目をそらすしぐさは、犬が「敵意がない」「怖い」という気持ちのときに行います。叱られているときやトレーニング中に目をそらす場合は、「反省している」「飽きた」「許してほしい」と思って、ストレスに感じている場合もあります。

鳴き声やしっぽからも犬の気持ちがわかる

犬の鳴き声やしっぽの様子も、犬の感情を表わしています。鳴き声やしっぽからみる、犬の気持ちについて解説します。

鳴き声でわかる犬の気持ち

鳴き声の種類や鳴き方も犬の感情によって異なります。犬の鳴き声別にどんな気持ちかを解説します。

「ワンワン」と吠える

犬が「ワンワン」吠えるときは、うれしい、警戒している、興奮しているなどの感情があります。よく吠える犬とあまり吠えない犬の違いは、警戒して吠えることが多いか少ないかです。

興奮しやすい、警戒心が強いなどで吠えることが多すぎる場合、しつけや工夫によって吠える回数を減らすようにしましょう。恐怖心を取り除く、落ち着かせるトレーニングや、警戒する対象を避けるなどが有効です。

唸る

「ウー」と低い声で唸っているときは、威嚇や独占欲などで怒っているときです。放っておくとけんかやトラブルなどが発生することもあるため、注意しましょう。危険を避けるために、「オフ」「放せ」のコマンドを教えるなどのしつけが有効です。

遠吠え

遠吠えは犬の祖先であるオオカミから続く、本能的な行動です。コミュニケーションを取る、音に反応する、テリトリーを主張する、ストレスがある、といった場合に遠吠えをします。

「キャン」と高く吠える

短く一回だけ「キャン!」と高い声で吠えるときは、驚いたときや痛みがあった場合です。心当たりがないのに高い声で短く吠えたときは、ケガや身体の異常がないかを確認しましょう。

しっぽでわかる犬の気持ち

しっぽの状態からも、犬がどんな感情を持っているかを把握できます。しっぽでわかる犬の気持ちを順に解説します。

しっぽが上がっている

興奮または集中しているときに、犬のしっぽが上がります。遊んでいるときうれしくて興奮する、相手を警戒しているなど、さまざまなケースがあります。しっぽだけでなく、表情やしぐさ、鳴き声などと合わせて犬の気持ちを判断しましょう。

しっぽが下がっている

しっぽが下がっているときは、集中や不安、警戒の気持ちを持っています。とくに下げたしっぽをさらに足の間に挟んでいる場合は、かなりの緊張状態です。相手が怖くて動けない、または「敵意はない」と相手に対して降参を示している状態になります。

しっぽを振っている

犬がしっぽを振っているときは、興奮している、または気持ちが動いているときです。うれしいときにしっぽを振るイメージがありますが、うれしいとき以外でも威嚇するときなどにしっぽを振ります。表情やほかの様子と合わせてみて、犬の気持ちを汲み取ってあげましょう。

まとめ

犬のしぐさはうれしい、楽しい、甘えたいなどのポジティブな感情もあれば、寂しい、不安、緊張、恐怖などのネガティブな感情を表すものもあります。注意が必要なしぐさを繰り返す場合には、精神的な不安や体調不良を抱えている可能性もあります。しぐさの正しい意味を知って、犬の気持ちを理解してあげましょう。

すべりやすい、走りにくい床も犬にとってはストレスになることもあります。犬が快適に過ごせる「愛犬の床」は、老舗が行うフロアコーティングです。愛犬が快適に過ごせるだけでなく、フローリングが傷つきにくいなどのメリットもあります。施工実績も多くあるため、ぜひ愛犬のための環境を整えるのに役立ててください。