犬の寝相でわかる心理とは?|健康状態・注意が必要な寝相も紹介

犬の寝相は、心理状態や健康状態を把握できるサインです。私たちは犬と言葉を交わせませんが、寝相から心理を理解することで、愛犬がより身近に感じられます。この記事では愛犬の寝ている姿をみて、寝相が気になっている飼い主さんに向け、犬の寝相からわかることを解説します。注意点も紹介しているので、参考にしてください。

犬の寝相は気持ちや体調がわかる

犬の寝相は、心理状態や健康状態をチェックできる場面です。飼い主さんは犬の睡眠について理解して、愛犬の体調のサインを見逃さないようにしましょう。

犬は1日の大半を睡眠に充てている

一般的に犬の睡眠時間は12~18時間程度です。ただし、犬の年齢や環境により睡眠時間は異なります。

・1歳までの子犬:1日18~19時間程度

・1~7歳までの成犬:1日12~15時間程度

・8歳以上のシニア犬:1日18~19時間程度

子犬は睡眠時間が長く、眠りも深い特徴があります。成犬は大型犬のほうが、睡眠時間が長い傾向です。シニア犬は疲労回復のために、子犬と同等の睡眠時間が必要となります。

犬が長時間睡眠が必要な理由

犬は眠りの浅いレム睡眠が長くなるため、人間に比べて長時間の睡眠が必要です。犬の睡眠周期に関しては解析されていないことが多くありますが、浅い眠りが長い理由は、睡眠中に外敵に襲われても行動を起こしやすくするためだといわれます。オーストラリアの研究では、犬は睡眠16分と覚醒5分を繰り返すと報告されています。ときどき犬が横向きに寝ていて走ったり、鳴いたり、くるくると動いたりする仕草は、レム睡眠により夢をみているためです。

リラックスしているときの犬の寝相

犬がリラックスしているサインは、次の5つの寝相から把握しましょう。

丸まる(ドーナツ型・ワンモナイト)

犬がドーナツのように丸まって寝る姿は、よくみかけるでしょう。アンモナイトにちなんでワンモナイトと呼ぶこともあります。丸くなって寝ているのは犬の一般的な寝相であり、うずくまることで内臓を守って体温を逃がさないようにする目的があります。寒い季節や寒い場所では、丸まって寝ることが多いです。暖かい場所でも丸まって寝る場合は、身を守りたいという緊張状態の場合もあります。

あお向け(へそ天)

犬があお向けで寝ているときは、リラックス状態が最高潮といえます。いわゆる、へそ天と呼ばれる寝相は、飼い主さんや家族のそばで安心している状態といえます。お腹は犬の急所であり、それを無防備にみせているため、緊張状態ではありません。へそ天をみると飼い主さんや家族も癒されるはずです。

横向き

犬が体を横向きにし、四肢を伸ばした寝相もリラックスしている状態です。行き倒れ寝ということもある寝相ですが、犬にとって体を休めるには適した姿勢になります。そのため、犬が深い眠りに入り、熟睡している状態といえます。ときには夢をみていることもあり、舌をペロペロと出して美味しいものを味わっている仕草をすることもあります。

犬同士が体をくっつけている

数匹の犬を飼っている場合、犬同士が体をくっつけて寝ていることがあります。姿勢がシンクロするように、一方の背中にもう一方がぴたりと体を寄せあうこともあるでしょう。これは相手を信頼して体をくっつけている寝相です。飼い主さんの体にくっついて寝る理由も、信頼しているためです。犬が体をくっつけてきたとき、または犬同士がくっついて寝ているときは優しく見守りましょう。

緊張感を残しているときの犬の寝相

「緊張感を残している」「すぐに動きたい」など何かしらの緊張状態にある、犬の寝相を紹介します。

少し丸まる(クロワッサン型)

完全に丸まるドーナツ型よりも、少し体をほどいたクロワッサン型で寝ているときは、動きやすい体勢です。よって、あまりリラックスできていない状態となります。リラックスできていない理由は内臓を守りたい、寒いなどが考えられます。単に飼い主さんの動きが気になり、さっと起き上がれる状態でいたい好奇心旺盛な犬にも確認できる寝相です。

うつ伏せ(スフィンクス型)

犬がスフィンクスのようにうつ伏せになって寝ているときも、動きやすい体勢です。この体勢は体の表面を地面や床にぴたりとつけているため、飼い主さんに呼ばれてもすぐに反応できる姿勢です。よって、浅い眠りのときの寝相といえます。夏場の暑い時期はお腹を冷ますためにうつ伏せになることがあります。

体調に注意したい犬の寝相や姿勢

犬の寝相はさまざまですが、体調に注意が必要な寝相もあります。愛犬の健康を守るために注意してみておきましょう。

四肢を開いた横向き

犬が横向きで寝ているときはリラックスしているように感じますが、四肢を開いた状態で横向きの寝相は注意が必要です。睡眠中の呼吸が速い場合は、暑がっている可能性があり、お腹を開いて体温を下げようとしているかもしれません。エアコンをつけて涼しくするなど、対策を取りましょう。特にパグなどの短頭種や肥満気味の犬は暑さに弱いため注意が必要です。

祈りのポーズ

犬が前肢を伸ばして腰を上げた体勢で寝ているときは、すい炎などの体調の異常に注意が必要です。祈りを捧げるようなポーズは、犬が腹痛を感じているときに行う体勢です。

祈りのポーズだけですい炎と断定できませんが、お腹を触ると悲鳴をあげるなど、普段と違う様子であれば健康異常を疑ってもよいでしょう。すい炎になると下痢や食欲不振、発熱などの症状がみられるため、早めに獣医に相談してください。

犬のあくびはリラックスを促してあげることが正解

人間と同様、犬も眠くなるとあくびをしますが、犬は眠いとき以外にもあくびをすることがあります。カーミングシグナルといって、不安や緊張状態のときもあくびをし、気持ちを落ち着けています。

たとえば、見知らぬ人から頭をなでられたときや、ストレスから体調がすぐれないときにあくびをします。愛犬が頻繁にあくびをするようであれば、リラックスさせてあげましょう。

犬が睡眠中にいびきをかくのはなぜ?

犬は睡眠中にいびきをかくことがあり、さまざまなサインになることが多いです。犬がいびきをかく理由には、以下の4つの原因があります。

肥満

肥満体の犬は喉の周りに脂肪がつきやすく、睡眠中にいびきをかくことがあります。人間と同様に、脂肪が喉を圧迫することでいびきをかきやすくなります。肥満はいびきをかくだけでなく、健康に悪影響となることも多いです。食事を見直したり運動量を増やしたり、ダイエットに取り組んでみましょう。

アレルギー・感染症

アレルギーや感染症にかかると、喉の粘膜に炎症が起こります。炎症が起こると喉が腫れてしまい、喉が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。鼻水が出て、鼻がつまっていびきをかくこともあります。タバコの煙やハウスダストが原因の場合もあるため、空気清浄機などで環境改善に努めましょう。

犬種

パグやブルドック、チワワ、シー・ズーなどの短頭種は、いびきをかきやすい犬種です。平坦な顔面や、短くて太い首など、体の構造が喉の狭さにつながっているため、短頭種がいびきをかくだけの場合は問題はないでしょう。

しかし、呼吸がしにくい特徴から熱中症に注意が必要です。毎日、大きないびきをするときは鼻腔狭窄症の可能性があります。異変を感じたときは動物病院に相談しましょう。

病気のサイン

犬が鼻孔狭窄・鼻炎・心臓病などにかかったりすると、いびきをかくことがあります。軟口蓋過長症・気管虚脱などの病気のときも正常な呼吸ができなくなり、いびきにつながりやすいです。「今までいびきをかいたことがないのに、大きないびきをかくようになった」などの異変を感じたときは、動物病院を受診しましょう。

犬が良質な睡眠を取れる環境づくりが大切

犬は健康維持のために良質な睡眠が必要です。犬が良質な睡眠をとるためには、ストレス発散や睡眠不足にならないような環境づくりが大切です。愛犬が安眠できるようなベッドや寝床の確保、適度な温度管理などを行いましょう。睡眠時間に変化が出たら、病気のサインの可能性があります。愛犬の睡眠時間や寝相には注意しましょう。

まとめ

犬はさまざまな寝相で睡眠をとります。寝相は愛犬の心理状態や健康状態を示すサインです。特に緊張状態や病気が疑われる寝相のときは、注意が必要です。愛犬が良質な睡眠をとれるように、ストレス発散や寝床の温度管理などに取り組みましょう。なお、ストレス発散のために室内で運動させるときは、愛犬の怪我にも注意が必要です。

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