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PROFILE:
北里大学医学部獣医学学科 小動物第一内科学研研究に所属し、主として応用獣医学、原虫病学を研究。
1987年に日本臨床獣医学会会長賞を、1988年には東北獣医師連合会長賞を受賞。NPO法人動物介在教育・療法学会の会長も務める。

犬は、人の最高のパートナー

ご存知のとおり、人と犬の関係は、非常に古くから在るものです。犬と出会って、人は安らぎを手に入れた。犬がが番をしてくれることで、外敵の危険を心配することなく、人はぐっすり眠れるようになったんですね。

元より群れを成すこともあり、犬はとても作業の分担に適性の高い動物ですから、人間と、その社会と上手くやっていける性質を、備えてもいたのでしょう。

そうした特性からなのか、それとも、人と暮らしてきた歴史が長いからなのか、犬は読心術的に、人間が何を考えているのかを察する能力にも、とても長けている。それこそ、チンパンジーなどよりも、優れているかも知れません。

また、時に犬(ほかの動物も含まれますが)は、人間よりもはるかに、人を癒すことができる。動物介在療法が、その大きなひとつの現われです。一般的にも、心が弱っている時分には、人間同士の付き合いなどは返って、ストレスが多いこともあるでしょう(笑)

人間の価値観や基準のみで、犬を捉えないこと

反対に、では犬の方のストレスはどうなのか?…と考える際には、人間が、勝手な解釈をしないことが重要です。人間の価値観に、犬を安易に当てはめないこと。

たとえば、犬にシャンプーをすると、人間の方は「さっぱりしたねぇ」などといい気分でも犬の方では、それはものすごいストレスなのかも知れないのですよ。

飼い主から引き離されて、知らない相手に、水浸しにされて、最後にはドライヤーもかけられてしまう、人間だって、ストレスが原因で、精神だけでなく、肉体的にも大病をわずらう。

肥満や高血圧しかり、糖尿病しかり、癌だって、私はストレスが大きく関わっているものだと思います。犬だって同じです。

そして、現代の社会は、人間にとっては大変に便利で快適なものですが、犬にとっては、ストレスだらけであるかも知れないのです。

強い光、大きな音、周りの空気…住宅の床だって、そうです。本当なら、土の上で生きる動物ですからね。

人間だけに都合の良い共存であってはならない

「犬にとっては本当に良い環境を」というならば本来、住宅のつくりがどうこういったレベルからではなく、もっと大きく、コミュニティごと創造すべきだと、私はそう考えています。

たとえば、いわゆる「ペット可」ではなく、犬好きが犬と暮らす、そうした人だけが入居するマンションとかね。本当に犬がダメな人だっているんです。

鳴き声だってそう、アレルギー体質の方だって、いらっしゃるのですから。犬好きだけが集まって、お互いに情報交換をし、より知識を高められるコミュニティ。

そして、そこには散歩に適した道から、動物病院から、トレーナーから、そして葬儀屋まで、ありとあらゆる必要な施設が揃っている。このように、犬が一生安心して暮らせる、環境そのものを、用意してあげたいと思います。

愛犬のためを思うならば、それが「人間にだけ都合が良いものなのか」「犬にとって本当に良いものなのか」、ちゃんと考えることが重要です。この国においても、人と犬の距離は、どんどん近づいてきている。

昔は外で飼うのが当たり前であったのが、リビングへ上がり、寝室まで共にするようになったわけです。あれもこれもペット用…と、昨今は簡単に言われていますが、本当はとても難しいものですよ。

自然を離れて、現代文明に生きる人間にとって良いものと、本来は自然に生きる犬にとって良いものが、そう安易に合致するわけがないのだから、共に暮らしてゆく前提で、人間と犬の折り合い、良いところをとり合わせることが、本来は求められます。

犬には、現代の住宅事情なり、ライフスタイルなりを、ある程度我慢してもらって、その分、人間の方も、犬が求める事柄を理解して、譲ってあげなければなりません。

良いものは化学的な根拠を持って、広く知られるべき

愛犬の床の考えは、とても良いと思いますよ。まずはその良さを、もっと広く世間の人に知ってもらわねばならない。そのためには本当は、科学的な検証がいちばんなのです。

すべてについて…とは言いませんが、できる限り、科学的な根拠を提示できるようにしたならば、もっともっと広く、そして確実に、多くの人に伝わります。

動物行動学、動物生理学、動物解剖学…こういったフィールドから、もっと詳細な検証がなされ、そのデータによって、その効果が明らかにされたならば、多くの犬たちがより素晴らしい生涯を送ることができるでしょう。

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